世界最大規模の弦楽器製作コンクール、
第16回 クレモナ トリエンナーレにおいて、日本人製作家の
根本和音氏が
チェロ部門のゴールドメダル受賞。
日本人としては39年ぶりの快挙!
16世紀から続くヴァイオリンの街クレモナ。17世紀から18世紀にかけて、ストラディヴァリをはじめとする多くの名工を生み出し、現在も数百名の弦楽器製作家が活躍する、まさにヴァイオリンの故郷として知られています。そのクレモナで3年に一度開催される世界最大の弦楽器製作コンクールが、『アントニオ・ストラディヴァリ記念製作コンクール』、通称トリエンナーレです。
15歳で単身渡伊
努力の末30歳で掴んだ金メダル
第16回 クレモナ トリエンナーレの表彰式はイタリア現地時間の2021年9月22日夜、クレモナ市内のポンキエリ劇場で行われ、 チェロ部門において根本氏のゴールドメダルが発表されました。
トリエンナーレは、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの4部門が行われ、それぞれ木工やニスの美しさ、楽器としての弾きやすさ、音色などを審査されます。審査員は通常10名、半分は世界的な製作家、あとの半分は音楽家で構成されます。今回は世界35ヶ国、261名の製作家が応募していたとのことです。
根本氏が弦楽器製作家を志したのは少年時代。中学卒業後の15歳で単身クレモナへ渡り、クレモナ国立弦楽器製作学校を卒業後、何人かのマエストロの元で修行を続け、30歳となった今年、栄冠を掴みました。
このコンクールでの日本人の優勝は、1982年の園田信博氏(現・日本弦楽器製作者協会会長)以来、39年ぶりの快挙であり、チェロ部門では日本人初となります。
今回のコンクールでは、同じチェロ部門でクレモナ在住の永石勇人氏が第3位ブロンズメダルとバルザリーニ賞を、ヴァイオリン部門ではクレモナ在住の高橋明氏がALI(イタリア弦楽器製作者協会)特別賞を受賞しており、日本人の活躍が目立ちました。
写真提供:菊田浩氏